【大阪】プログラマを目指す!!おすすめ職業訓練一覧
コロナ禍の影響などで、現在の仕事に不安を感じ再就職を考えている、または仕事がなくなり、やむなく再就職をしなければならない人がいると思います。
これから先、安心・安定して長く仕事をするために、何か手に職(スキル)を付けなければならないと危機感を持っているかも知れません。
インターネットなどの多くの媒体でプログラマなどのICTエンジニアの人材不足が伝えられているため、プログラマやシステムエンジニアへの転職を考えている人が増えています。
しかし、就職活動を行っても、未経験者では書類選考で落とされてしまうことが多いはずです。
そこで、少しでも就職活動が優位になるように、ICT関連のスキルを習得しようとして独学でプログラムの勉強を始めてみる人がいます。でも、結局途中で挫折してしまう人がほとんどかも知れません。
エラーが発生した場合、対応策が分からないため解決できず、諦めてしまうことが多いためです。
やはりプログラムスキルを習得するためには、誰かに教えてもらうことが一番効果があります。
人に教えてもらう場合、「有料のパソコンスクール」と「無料の職業訓練」のどちらかを利用することができます。
有料のパソコンスクールについては、多数存在しているので、別の機会で紹介します。今回は無料の職業訓練について説明します。なお、今回の対象は大阪府限定となります。
この記事では、大阪府でプログラマへの再就職を支援する職業訓練の一覧を紹介し、それぞれの特徴を説明します。
私は職業訓練の講師として実際に訓練を担当したことがあるので、応募する場合に気を付けるべきチェックポイントなども合わせて説明していきます。
まず、この記事は以下のような人を対象としています。
対象者・大阪府でプログラマになるために実施されている職業訓練のコースを知りたい人
・それぞれの職業訓練の特徴を知りたい人
・職業訓練を実際に応募する時に気を付けるチェックポイントを知りたい人
この記事を読むと、つぎのようなことが理解できるようになります。
この記事を読むとできること・大阪で実施されているプログラマ用の職業訓練のコースを知ることができる
・各職業訓練のコース内容を比較して知ることができる
・職業訓練に応募する時に気を付けるチェックポイントを知ることができる
プログラマの仕事に就くために、プログラムの勉強をしたいのですが、独学だと大変です。何か、良い方法はありませんか?
パソコンスクールか職業訓練を利用すれば良いと思います。
金銭的に厳しい場合、無料で受けられる職業訓練がおススメです。
職業訓練ですか?
あまり、なじみがないんですが、どんな内容なんですか?
都道府県によって実施されるコースは異なります。
詳しい内容は、都道府県のハローワークのサイトを見ればわかります。
今回は「大阪府」で実施された、または実施される職業訓練について紹介します。
職業訓練とは
「職業訓練」とは、再就職を希望する失業者を対象に、新しい仕事に就くために必要なスキルの習得を行う訓練のことです。
受講料は無料ですが、誰でも自由に受講できる訳ではありません。応募・受講するためには必ず、ハローワークに登録する必要があります。
また、雇用保険受給対象者は失業手当を受給されながら訓練を受講することができます。つまり、お金をもらいながら勉強できるということです。
なお、雇用保険がもらえるか、職業訓練を受講できるかは、必ず近くのハローワークで相談して下さい。
「職業訓練」は、国や都道府県が実施する「公共職業訓練」と、国や都道府県が民間企業に委託して実施する「求職者支援訓練」の2つに分類されます。
一般的に、雇用保険受給対象者は「公共職業訓練」、対象外者は「求職者支援訓練」をすすめられるようです。しかし、どちらを受講するかはハローワークでの相談で決定します。
公共職業訓練
国が直接実施する職業訓練は、各道府県(東京都除く)にある「ポリテクセンター」で実施されています。各都道府県が直接実施する職業訓練は「高等技術専門校」(名称は各都道府県で異なる)で実施されています。
実施されている職業訓練は、機械加工や溶接、居住、電気設備など「ものづくり系」のものがほとんどです。
実施期間は「ポリテクセンター」の場合、6カ月~7カ月ですが、「高等技術専門校」の場合、ほとんどが1年と長期となっています。
求職者支援訓練
求職者支援訓練は委託された民間企業が実施する職業訓練です。
実施している職業訓練は、事務、IT系、介護系、美容系など「非ものづくり系」となっており、「ものづくり系」が中心の公共職業訓練と差別化が図られています。
実施期間は3カ月~6カ月と比較的短期間となっています。
また、最近では「企業実習付き」のコースも増えています。これは訓練期間中に実際に企業に出向いて実務を経験するというものです。大学生が行う「インターンシップ」と同じものです。
運が良ければ、派遣された企業への就職も可能です。
有料のパソコンスクールとの違い
プログラマへの再就職を希望する場合、有料のパソコンスクールに通うという選択肢もあります。
これらのパソコンスクールでは、自分に専用のメンター(教師)がつき、分からない部分を質問しやすいという特徴があります。
また、オンラインで受講することができ、自分のペースで勉強することができます。
さらに、再就職までサポート(保証)してくれるパソコンスクールもあります。
職業訓練と比較すると大きな違いは、費用が掛かるということです。
パソコンスクールによりますが、20万円~50万円の費用は必要となります。
しかし、インターネットで実際に受講した人の評判を見ると、「費用が掛かった割にスキルが習得できなかった」、とか「就職できなかった」などの悪いものもあるので、実際に応募する場合は事前に確認した方が良いでしょう。
なお、職業訓練でも「スキルが習得できなかった」、「就職できなかった」という感想があるので、一概に有料のパソコンスクールが悪い訳ではありません。
有料のパソコンスクールの場合、高額な費用を支払っている分、シビアな感想、不満が出ているかもしれません。
大阪で実施されているプログラマ向けの職業訓練の一覧
大阪府で実施されている職業訓練について、説明していきます。
なお、いつ開催されるのか具体的な日程については「大阪労働局」のサイトを確認してください。
大阪労働局のサイトは、こちら
この記事では、各コースの特徴を説明していますが、サイトや資料から判断した個人的な意見となりますので、参考程度にとらえて下さい。
公共職業訓練
公共職業訓練でプログラマへの再就職をサポートしいる職業訓練は以下のコースです。
なお、大阪府が実施している職業訓練は「組込み技術者」を目的としているので、今回は除外しています。
ICTエンジニア科【ポリテクセンター関西】
定員 | 22名 |
訓練期間 | 6カ月 |
年齢制限 | なし |
企業実習付き | なし |
テキスト代 | 約20,000円 |
主な訓練内容 | ・Javaプログラミング
・Androidアプリ開発 ・Webアプリ開発(サーブレット/JSP) ・ネットワーク ・Linux ・IoT機器制御 |
参照サイト、資料 | ホームページ |
【特徴】
6か月間で、かなりのボリュームの学習内容と言えます。習得するには、かなりのやる気と努力が必要だと思います。
ただし、プログラマだけではなく、インフラ関係の再就職も目指すことができる幅広い内容です。再就職には有利かも知れません。
大阪府委託訓練
添付している資料については、最新のものがない場合、昨年度に実施されたものを添付しています。したがって、今年度に実施する内容とは異なっている可能性があります。また、今年度実施しない可能性もあります。
詳細は実施する施設またはハローワークに直接問い合わせてください。
Javaプログラマー実践科【創造社リカレントスクール大阪】
定員 | 20名 |
訓練期間 | 4カ月 |
年齢制限 | 49歳以下 |
企業実習付き | あり |
テキスト代 | 9,020円 |
主な訓練内容 | ・Office操作
・Javaプログラミング ・Web製作(HTML/CSS/JavaScript) ・Webアプリ開発(サーブレット/JSP) ・データベース(MySQL) ・演習 |
参照サイト、資料 | 資料(PDF) |
【特徴】
訓練内容を見てみると、目指しているのは「Webプログラマ」と言えます。
Officeの訓練を実施しているので、パソコン操作が全くできない初心者の人でも、問題ないと思います。
就職支援体制ですが、「人材紹介会社/派遣会社の紹介」と記載されているので、就職活動は受講生任せかも知れません。
データサイエンティスト基礎実践科【創造社リカレントスクール大阪】
定員 | 20名 |
訓練期間 | 5カ月 |
年齢制限 | 49歳以下 |
企業実習付き | あり |
テキスト代 | 7,458円 |
主な訓練内容 | ・統計学
・Excelによる分析 ・データベース ・Pythonプログラミング ・R言語プログラミング |
参照サイト、資料 | 資料(PDF) |
【特徴】
大阪の職業訓練で、統計学やR言語を本格的に学べるものはないので、それらを勉強したい人にとっては非常に良いコースだと思います。また、Excelを使って各種分析方法を学べるため、様々な業種でExcelをより実践的に使いこなしたいという人にも向いています。
しかし、統計学はかなり難しい内容で、大学入試レベルの数学の知識が求められます。理解して使いこなすのは非常に厳しいかもしれません。
また、大阪ではデータサイエンティストに関する仕事がまだ多くはないため、関連職種への再就職は難しいと思います。
今後重要な仕事なのは確実なのですが、5カ月未経験者が勉強しただけで、データサイエンティストとして活躍するのは難しいと思います。
就職支援体制ですが、「人材紹介会社/派遣会社の紹介」と記載されているので、就職活動は受講生任せかも知れません。
AIプログラマー基礎実践科【創造社リカレントスクール大阪】
定員 | 20名 |
訓練期間 | 5か月 |
年齢制限 | 49歳以下 |
企業実習付き | あり |
テキスト代 | 5,566円 |
主な訓練内容 | ・統計学
・Pythonプログラミング ・機械学習 |
参照サイト、資料 | 資料(PDF) |
【特徴】
大阪の職業訓練で、機械学習を本格的に学べるものはないので、それらを勉強したい人によっては非常に良いコースだと思います。
また、Pythonを集中的に取得することができるのも大きなメリットと言えます。
しかし、上記のデータサイエンティスト基礎実践科と同様に統計学の理解するのは非常に難しいと思います。また、機械学習はPythonを利用すれば簡単に誰でもできると誤解している人が多いのですが、行列計算などやはり高度な数学に関する知識が必須となるため、数学が不得意の人にとってはかなりストレスがかかる訓練かも知れません。
大阪でPythonを利用した求人数はまだまだ少ないですが、これらの知識を習得できれば、今後長くプログラマとして活躍できると思います。
就職支援体制ですが、「人材紹介会社/派遣会社の紹介」と記載されているので、就職活動は受講生任せかも知れません。
求職者支援訓練
求職者支援訓練は、毎月何らかのコースが実施されています。プログラマ用のコースが実施されるかどうかは、大阪労働局のサイトを確認してください。
大阪労働局のサイトは、こちら
初歩から始めるJava+Pythonプログラマー実践科【創造社リカレントスクール大阪校】
定員 | 20名 |
訓練期間 | 6カ月 |
年齢制限 | なし |
企業実習付き | あり |
テキスト代 | 11,660円 |
主な訓練内容 | ・Javaプログラミング
・Webページ作成(HTML/CSS/JavaScript) ・Webアプリ開発(サーブレット/JSP) ・データベース(MySQL) ・Pythonプログラミング ・システム開発 |
参照サイト、資料 | 資料(PDF) |
【特徴】
Javaを利用したWebアプリ開発に重点を置いているコースと言えます。今後ニーズが高まると予想されるPythonについても習得することができますので、プログラマへの再就職を希望する人にとっては、バランスが良いコースです。
しかし、Pythonプログラミングについては、基礎レベルだけなので、データ分析や機械学習などについては別途独学する必要があります。
スマホアプリ(Android)・Webアプリ製作科【HITスクール天満橋校】
定員 | 15名 |
訓練期間 | 5カ月 |
年齢制限 | なし |
企業実習付き | なし |
テキスト代 | 8,900円 |
主な訓練内容 | ・Excel操作
・Scratchプログラミング ・Javaプログラミング ・Androidアプリ開発 ・Webアプリ開発(サーブレット/JSP) |
参照サイト、資料 | 資料(PDF) |
【特徴】
Excel操作とScratchプログラミングがあるので初心者でも安心して受講できると思います。
Scratchは小学生など初心者がプログラムを勉強する際に利用する入門用のプログラム言語ですが、個人的には訓練には必要ない気がします。時間的には2日程度ですので、中途半端感は否めません。
また、Kotlinという言語を利用すると資料に記載されているのですが、どこで学習するのか一切記載されていません。おそらくAndroidアプリ開発でKotlinを利用するかも知れません。
Kotlinを学習できる職業訓練が他にはないので、もし私の想像通りKotlinでAndroidアプリ開発を実施するのであれば、ためになると思います。
未経験からのJava・Pythonプログラミング実践科【KECキャリア教育センター】
定員 | 15名 |
訓練期間 | 4カ月 |
年齢制限 | なし |
企業実習付き | なし |
テキスト代 | 15,000円 |
主な訓練内容 | ・Javaプログラミング
・Webアプリ開発(サーブレット/JSP) ・ExcelVBA ・RPA ・Pythonプログラミング |
参照サイト、資料 | 資料(PDF) |
【特徴】
他の職業訓練と比較すると、Javaプログラミングの訓練時間が一番多く設定されているので、しっかりとJavaプログラミングを習得できると思います。
また、ExcelVBAやRPA(3時間)など他の職業訓練では実施されていないものが学べるので、プログラマだけではなく、プログラムができる事務の仕事も目指せるかも知れません。
ただし、Webアプリ開発(サーブレット/JSP)の訓練時間が他と比較すると短いため、Webアプリ開発のプログラマを希望するのであれば、別途独学でスキルアップを図る必要があると思います。
職業訓練を受講する場合のチェックポイント
ここまで、様々な職業訓練のコースを紹介してきました。
では、皆さんが実際に申し込みをする場合、何に気を付ければよいのかチェックポイントを説明します。
なお、職業訓練を受講すると、修了後1年間は別の職業訓練を受講することができません。また、途中で他の職業訓練に変更することももちろんできませんので、どのコースを選ぶのかは慎重に行う必要があります。
関連職種への就職率
まず、チェックして欲しいのは「就職率」です。
職業訓練は再就職のためのものなので、スキルを身に付けるのが目的ではありません。町のパソコン教室に通って、ちょっと勉強するのとは違います。
そこで、希望しているコースの就職率がどれ位なのかは必ずチェックしてください。
また、関連職種への就職率もどれ位なのか確認する必要があります。
就職率が高くても実際プログラマとして就職できた人が少ないという職業訓練も数多くあります。
営業職や事務職など、全くプログラマと関係ない仕事でも就職率として加算している場合があります。つまり、その職業訓練を受講しても自分が希望するプログラマへは再就職できない可能性が高いということです。
残念ながら、民間に委託されている職業訓練の中には、とにかく就職率を上げることしか考えておらず、関連職種への就職率は気にしていな所もあります。
せっかく、プログラマへの再就職を希望して、自分の貴重な時間とお金を費やしたのに、実際に就職できなかった、では悲しすぎませんか?
以上のことから、必ず就職率、関連職種への就職率は事前に確認してください。
もし、曖昧な回答しかしない場合、そのコースへの応募は考え直した方が良いかも知れません。
訓練環境
職業訓練は1か所に受講生が全員集まった「集合研修」形式で訓練が実施されます。
その際、チェックして欲しいのは、講師のパソコンの画面をどのようにして受講生に表示するかです。
一般的には、プロジェクターに投影することが多いのですが、この形式では教室の後ろの人は投影されている内容が見づらい可能性があります。
プログラムのコードを見せながら解説をする場合が多いのですが、見えないとどこを説明しているか分からず、理解できないかもしれません。
プロジェクターを利用している場合、教室の後ろの方の人が見えづらい場合、どのような対応をしてもらえるのか事前に確認したほうが良いでしょう。
理想的なのは、各受講生の間に提示用のモニターがある訓練環境です。この環境であれば、後ろの人でも講師からの距離に関係なく、はっきりと講師用画面を確認することができます。
なお、使用するパソコンはWindowsでもMacでも問題ありません。
まとめ
今回は、大阪で実施されているプログラマのスキルを習得できる職業訓練の紹介をしました。
自分の未来を考えて、職業訓練を受講しようという前向きな行動は素晴らしいものです。
しかし、応募する職業訓練のコース選びを失敗すると、後悔してしまうかも知れません。
パソコンのスキルを習得できるので、全く無意味ではありませんが、プログラマとして最短で再就職を希望するのであれば、事前に十分調べて、納得してから応募するようにしてください。
なお、ほとんどの職業訓練のコースは事前に見学説明会が実施されているので、必ず参加しましょう。
・職業訓練には公共職業訓練と求職者支援訓練の2種類がある。
・大阪ではプログラマ用の職業訓練がいくつか用意されている。
・それぞれ、特徴があるので、自分の希望するコースを選択する。
・実際の内容はホームページで確認するか、事前説明会に参加して確認する。
・コースを選択する場合、「就職率」と「訓練環境」を必ず確認する。
大阪では、プログラマ用の職業訓練が多数実施されています。
それぞれ、何が習得できるのか違いますので、今回の説明をぜひ参考にしてください。
いろいろとあって、逆にどのコースに応募するか悩んでしまいます。
大事なのは、何を勉強したいかではなく、どんなプログラマになりたいかです。
趣味や興味がある、ではなく、プログラマとして就職できるかもきちんとチェックしてください。
今度、事前説明会に参加してみます!!