【CCNA試験対策】初心者が合格するまでの勉強方法
未経験者がインフラエンジニアを目指す場合、おすすめの資格は「CCNA」と「LinuC」です。そのうちネットワークに特化したものが「CCNA」となります。
CCNA資格を取得するためにどのようにして勉強すれば良いのか、悩んではいませんか?
私はセミナー研修や職業訓練のセミナーを通して、CCNA資格取得を目指して勉強している、全くの未経験者を何人もサポートしてきました。
この記事では、CCNA資格を取得するための3つの勉強方法について解説します。この記事を読むと、CCNA資格を取得するための勉強方法の利点や欠点を知ることができます。
まず、この記事は以下のような人を対象としています。
対象者・CCNAの資格について知りたい人
・CCNA資格を取得するための勉強方法を知りたい人
・CCNAの独学におすすめな書籍やサイトを知りたい人
・確実に資格を取得するために有償のITスクールを利用したいと考えている人
この記事を読むと、次のようなことが理解できるようになります。
この記事を読むとできること・CCNAの資格を受験する方法を知ることができる
・書籍やサイトを使って独学する時の利点、欠点を知ることができる
・有償のITスクールの利点、欠点を知ることができる
インフラエンジニアにおすすめの資格として「CCNA」というものを聞いたことがあります。これはどんな資格ですか?
Cisco社が認定している民間の資格です。ネットワーク全般の知識が問われる、かなり勉強が大変な資格です。
このCCNAを取得するためにはどんな勉強をすればよいのですか?
今回は、書籍やサイト、ITスクールの紹介を行いますので、参考にして下さい
CCNAとは
CCNAの正式名称は「Cisco Certified Network Associate」で、Cisco社が実施している認定試験です。Cisco社はネットワーク機器を主に製造・販売している会社で世界的に大きなシェアを持っています。日本国内でもL3SWなどではトップシェアを誇っています。
ネットワーク全般の知識からCisco社製のネットワーク機器(L2SW,L3SW,ルータ)の構築・運用にかかる技術を総合的に評価する資格で、世界規模で通用します。
Cisco社が認定している資格は6種類あるのですが、CCNAはアソシエイトレベルに属するもので、入門レベルとなります。ただし、入門レベルと言ってもその内容はかなり難しく、合格率もそれほど高くありません。
インフラエンジニアとして就職する際、CCNAの資格取得は必須ではありません。しかし、その人がどれくらいの知識やスキルを有しているかを採用側の企業が評価する場合、本人の話や職務経歴書だけではわかりません。その点、資格を取得していれば、客観的にスキルを評価することができます。
したがって、未経験でインフラエンジニアを目指すのであれば、CCNAの資格を取得しておくことは無駄になることはありません。資格取得のための勉強を通して、ネットワークの知識が幅広く、そして詳しく得ることができます。
企業によっては、資格取得手当てという制度があり、資格を取得していればその資格の種類(レベル)によって、月々の給与に若干手当てが追加されることもあります。
試験概要
試験方法は「CBT方式」となりパソコンを使って問題を解いていきます。近くの「ピアソンVUE認定校」で受験することができます。
試験時間は120分で問題数や合格点は非公開となっています。受験終了後に合否判定結果が目の前のパソコンに映し出され、結果をすぐに確認することができます。
受験料は「200-301版」の場合、「33,600円」です。CCNAは時代のニーズに合わせて試験内容が随時更新されています。書籍やサイトで勉強する際は、どのバージョンかを確認して下さい。大きな違いはありませんが、新しい技術が追加されている場合があります。
試験当日は15分前には試験会場に到着していなければなりません。遅れると受付の人に注意されることもあるようです。15分以上遅刻をすると受験できず、試験料も返還されませんので十分注意してください。
また、当日は身分証明書が2種類必要です。どのような証明書が必要かは、ピアソンVUEのサイトで事前に確認をしておきましょう。
受験申込
受験申し込みはピアソンVUEのホームページで行います。サイトに接続し、すぐに申し込みが行えるわけではありません。まずはアカウント登録が必要です。アカウント登録には時間がかかる場合があるようなので、余裕をもって登録してください。過去には1週間以上待たされたという人もいました。
勉強方法
まず、CCNAのレベルですが、「かなり大変」です。ネットワークは、覚えることが非常に多く、また英語の略語ばかりなので、勉強するのは大変です。TCP/IPの各種プロトコルやIPアドレス、セキュリティなど多岐にわたります。さらにCisco社製のネットワーク機器(L2SW、L3SW、ルータ)を操作するためのコマンドも覚えなければなりません。
勉強は大変ですが、その分評価も高くなります。未経験者が独学でCCNAを取得していれば、企業のあなたに対する評価はあがります。ICT業界では、新しい技術が日々作られているので、独学で勉強する姿勢が大事です。勉強できる人材は企業にとって貴重なのです。
では、どのようにして勉強していけばよいのでしょうか?
資格取得に限らず、勉強する方法は次の3つでしょう。
- 書籍を読んで勉強する
- サイトの情報を見て勉強する
- ITスクールに通って勉強する
それぞれについて説明していきます。
書籍を読んで勉強する
他の資格と同様に対策本が発売されています。しかし、他と比較すると種類は多くありません。基本情報技術者試験などと比べると、受験する人数が大幅に少ないため、ニーズがあまり高くないためだと思います。
ネットワーク全般の内容とCisco社製のネットワーク機器のコマンド操作を同時に勉強するためにおすすめする書籍は以下の書籍です。以前は「黒本」と呼ばれるものも発売されていたのですが、新しいバージョン「200-301」に対応している教科書は今のところ、この書籍のみとなります。
この書籍はページ数が「888ページ」もあります!! 初めてネットワークの勉強をする人にとってはかなりのボリュームです。1度読んで理解しようとせず、何度も繰り返し読みなおし、少しずつ理解するようにしましょう!!
発売されているCCNA関連の書籍で「問題集」がありますが、これからCCNAの勉強をしようとしている人にはあまりおすすめしません。タイトルの通り、問題が多数掲載されているかわりに詳細な技術説明が不足しています。まずは、しっかりと上記の書籍で基礎技術の習得を目指しましょう。
しかし、基礎的な勉強しながら、同時に問題にもチャレンジしたいという人には、次の黒本がおすすめです。スマホに対応した問題集を利用することができるので、通勤、通学時間などのちょっとした時間に、どこででも勉強することができます。
私のセミナーの受講者でCCNAを取得した人は大体、教科書の書籍を3回繰り返し読んでいます。それでも、全員が合格している訳ではありません。1日2時間位勉強しても、およそ2カ月程度は必要だと思います。また、この書籍だけで合格するのは厳しいので、通常は次に紹介する練習問題を提供しているサイトでも合わせて勉強する必要があります。したがって、勉強する期間は3カ月位かかるかも知れません。
利点
書籍を読んで独学で勉強する利点は、「無料で勉強できる」ことと「自分のペースで勉強できる」ことです。なるべく出費を抑えたいという人には、良い勉強方法と言えます。また、いつでもどこででも読んで勉強できるので、通勤・通学のちょっとした隙間時間で読むこともできます。最近は電子書籍も発売されているので、分厚い本を持ち歩く必要がなくなり、とても便利になっています。
欠点
欠点は、「時間がかかる」ことと「モチベーションの維持が難しい」こと、「分からないことを誰にも質問できない」ことです。今回紹介した書籍は約900ページもあり、内容もかなりのボリュームです。この書籍を読破し、理解するとはかなり大変です。初めて読む内容で分からないことがたくさん出てくると思いますが、それを誰かに聞くことができません。近くにネットワークに詳しい人がいないと大変かも知れません。
また、読むだけなので「勉強して資格を取得する!!」というモチベーションを保つことが難しいかもしれません。実際にネットワーク機器を使ってコマンド操作ができる官僚があれば、確認しながら勉強できるのでお勧めですが、なかなか実機を揃えることは難しいと思います。その場合、この後紹介する『Cisco Packet Tracer』というソフトを利用すると良いでしょう。
サイトの情報を見て勉強する
試験対策のサイト以外に、基礎技術を解説しているサイトもあります。非常に多くのサイトが存在しており、どのサイトが良いのか分からないかもしれません。ここでは、有名で有用なサイトを紹介します。
『Ping-t』
問題集が一部無料で提供されているサイトは「Ping-t」です。CCNAの試験対策をするのであれば、必須ともいえるサイトです。サイトのURLは以下の通りです。
ユーザ登録すると、利用できる問題数は「400問」となります。有料登録すると、問題数は「450問」追加されるほか、簡易シミュレータを利用することができます。簡易シミュレータはCisco社製のネットワーク機器のコマンド操作をWebブラウザ上で体験できるというものです。
料金は利用期間によって異なりますが、1カ月2,400円、3カ月で3,800円、6カ月で4,800円となっています。
問題集の他に、実際に受験した人の感想などが掲載されているので、アドバイスを確認できるようになっています。初めて受験する場合、どのように勉強したらよいのか不安があるかもしれませんが、実際の体験談を知ることで安心できるはずです。
『ネットワークエンジニアとして』
このサイトはCCNAのみならず、その上位資格のCCIEについても解説しているサイトです。サーバ関係の資格試験「LinuC」についても解説しています。
サイトのURLは以下の通りです。
書籍で勉強しながら、分からない部分をこのサイトで補完すると良いでしょう。
利点
今勉強方法の利点は、書籍を読ん勉強する方法と同じで「無料で勉強できる」ことと「自分のペースで勉強できる」こと、「要点がまとめられているので効率よく勉強できる」ことです。
書籍の場合、約900ページもあるのでどこに何が書かれてあるのか探すのが大変ですが、サイトの場合リンクが張られているので、簡単に勉強したい内容(ページ)を見ることができます。
欠点
大きな欠点は、「インターネットに接続できる環境がないと利用できない」ことと「時間がかかる」こと、「情報量が多すぎて初心者には選別が大変」なことです。
まずは、サイトを見るためにはインターネットに接続しなければなりません。インターネットが使えない環境ではサイトを見て勉強することができません。しかし、現在はスマホが使え、どこででもインターネットに接続できるので大きな問題ではありません。また、書籍で勉強する場合と同じで、この方法を使っても理解するまでには時間がかかります。
また、インターネットで関連するサイトを検索すると無数のサイトがリストアップされ、どのサイトが良いのか初心者にとっては選別が難しいでしょう。せっかくサイトを見て勉強していても、内容が古く役立たなかったら、時間の無駄になってしまいます。
サイトを利用する場合、今回紹介したサイトをぜひ活用してください。
ITスクールに通って勉強する
書籍やサイトを使って独学で勉強する際の大きな問題/障害は、「サボってしまう」ことかも知れません。”お金がほとんどかからない”ため、高いモチベーションを維持するのが大変だと思います。
資格試験の勉強はどの資格でも同じなのですが、すぐに結果を確認することができません。勉強していてもその成果がはっきりと体験できません。人間は成果をすぐに体験できなければ、サボってしまいます。一方、スマホを見たり、ゲームをして入りという”サボってしまうという行為”は、すぐに楽しさを体験することができます。人間は楽な方へ行動してしまうため、仕方がないかも知れません。
高いモチベーションを保ち、しっかりと勉強するためには、他の人に助けてもらうことが必要です。
受講料金は数十万円と決して安くはありません。しかし、「受講料金をこれだけ払ったのだから、絶対資格を取得する!!」と自分に良い意味でプレッシャーをかけることもできます。
プログラミングのITスクールは多いのですが、インフラエンジニア向けのITスクールはあまり多くはありません。
『ウズウズカレッジ CCNAコース』
株式会社ウズウズが運営するインフラエンジニアに特化したITスクールです。
この会社はITスクールの運営の他にYouTubeでカリキュラムの一部を無料で公開しています。見たことがある人もいると思います。チャンネル登録者数が2.5万人で、私ももちろん登録しています。
CCNAの資格取得のみならず、関連職種への就職支援も行ってくれます。また、専任の講師がメンターとして付き、回数制限なしで質問も可能なので、しっかりと学習をサポートしてくれます。
今なら、無料で相談会を実施しているようなので、まずは無料説明会に申し込みをして、話を聞いてみて下さい。
下記のリンクをクリックすると、詳細ページに飛びます。
インターネットで色々な情報を調べることができますが、情報量が多く、また未経験の人にとっては何を言っているのか分からないことが多いと思います。
分からずに先にすすめないのは非常にもったいないので、まずは無料の説明会などに参加し、直接自分の疑問をぶつけ、答えてもらった方がスッキリすると思います。
まずは、行動あるのみです!!
利点
記事内でも書いていますが、大きな利点は「分からない時に質問できる」ことと「サポートを受けながらやりきることができる」ことです。また、「関連する職種へ就職する出来る可能性が高くなる」ことです。
書籍やサイトを使って勉強する場合、分からない部分を気軽に質問できる環境がありません。質問サイトなどがありますが、質問してすぐに回答してもらうことができない場合が多いです。また、質問しても「既に質問されているので、過去のページを自分で検索して!!」といった、厳しい回答をされてしまう場合もあります。しかし、ITスクールの場合、専任の講師がいるので質問してすぐに回答してもらえます。記事で紹介したITスクールでは、質問回数に制限がないので何度でも、自分が理解できるまで質問することができます。また、質問に回答してもらい理解しながら勉強することができるのでモチベーションを保ったまま、やりきることができます。書籍やサイトを使った場合、途中で挫折してしまう可能背が高いのですが、ITスクールの場合は初めから期間が決まっているので、やりきることができます。
さらに、ITスクールの場合再就職までサポートしてくれるので、その分野に就職を希望している人にとってはメリットしかありません。ただし、100%就職を保証している訳ではないので、注意してください。基本的には本人のやる気次第です。
欠点
ITスクールを利用する場合の欠点は、「受講するためには受講料を支払わなければならない」ことです。しかし、質問もでき、サポートも受けられ、就職まで支援してもらえるので、十分もとは取れると思います。
シミュレーションソフト『Cisco Packet Tracer』の利用
CCNAの試験では、Cisco社製のネットワーク機器を設定するためのコマンドに関する知識が求められます。オークションサイトでL2SWとルータをわざわざCCNA資格のために購入し、自宅で実機を使って勉強している人もいます。しかし、現在はCisco社から無料でシミュレーションソフトが提供されています。
無料といっても、Cisco社が運営している『Cisco Network Academy』にユーザ登録が必要です。このサイトは世界中の人を対象に無料でネットワークに関する教材などを提供しています。なお、このサイトへのユーザ登録は無料です。
『Cisco Packet Tracer』は非常に高性能なソフトウェアで、ソフトウェア内で無数のCisco社製のネットワーク機器を配置して、ネットワークを構築することができます。
通常購入すると数十万円する装置を惜しげもなく配置して、利用することできます。もちろん、各種コマンドが利用できるのでCCNAの試験対策になります。また、ネットワーク構築の仕事をしている人は、Cisco社社製のネットワーク機器を使ってネットワークを構築する案件がある場合、パソコン内に同じネットワークを仮想的に構築し、その構築方法やネットワークの性能を体験、調査することもできます。
この画面は、ルータ2台、L2SW2台、サーバ1台、パソコン2台を利用したネットワークを疑似的に構築している画面です。これらの機器を実際に準備しようとすると、数百万円はかかってしまいます。また、搬入されるまでに時間がかかってしまい、すぐにネットワークのチェックが行えません。
このような手間、暇を掛けずに簡単に利用できるのがこのソフトの特徴です。
単なるCCNA対策にとどまらず、ネットワーク構築の実践的なスキルを習得することができます。なお、Packet Tracerのダウンロードや操作方法については、次の記事を参考にして下さい。
まとめ
今回は、初心者の人がCCNA資格を取得するための3つの勉強方法について説明しました。
それぞれ、自分のニーズに合ったものを選んで勉強すると良いでしょう。インフラエンジニアを目指す人にとって、CCNAは強い武器になるので、是非この機会に資格取得にチャレンジしてみて下さい。
・CCNA資格取得のための勉強方法は「書籍」「サイト」「ITスクール」の3つがある
・それぞれ利点、欠点があるので、自分の性格に合ったものを選ぶ
・資格を取得し、就職まで考えている場合は、ITスクールがおススメ
CCNA資格取得のための勉強方法で何か気になるものはありましたか?
一番始めやすい書籍を購入して勉強しようと考えているのですが、説明を聞くと自分にできるか心配です。
何事もチャレンジが大事です。まずは独学で勉強してみるのも良いでしょう!! 就職までのサポートまで考慮すると、有償のITスクールが良いかもしれませんね。